松岡式「税務のマメ知識」Vol.5
2011/05/10
【新税制導入で「出生率低下」をストップ!?】
少子高齢化がますます進んでいく日本です。
その状態が続くと現役世代が減って高齢者が増えるため、現役世代の負担がだんだん重くなっていきます。
今現在3人で1人の高齢者を支えている状態が、2025年には「2人で1人を支えなくてはいけない」という予測もあります。
そんな少子高齢化の現状を打開するため、以前にある国会議員が「独身税の導入」を提案したことがあります。
この「独身税」ですが、その昔ブルガリア で少子化対策として実際に導入されたことがある税金なのです。
ブルガリアは、人口800万人ちょっとの国で、少子高齢化による労働人口不足という大きな問 題を抱えていました。
そこで考えられた税制が、独身の人に対する「独身税」というものだったのです。
この「独身税」は、1968年から1989年の21年 間にわたって導入され、収入の5~10%の税金を徴収するというものでした。
ブルガリアでは「独身税」導入後、思惑通り既婚率が増加し出生率も増加・・・ となればよかったのですが、残念ながら出生率は、2.18から1.86となってしまったようです。
「独身税」をもってしても、出生率の減少を食い止めるこ とは、なかなか困難だったようです。
なんでも増税といったペナルティ式の方法ではなく、違った形での問題解決が必要なのかもしれませんね。