「家政婦のミタ」的社員は会社に必要か?能力よりも周囲に及ぼす影響を考慮しよう
2012/01/24
昨年秋の連続ドラマで、最終回の平均視聴率が40%という脅威の記録を打ち立てた「家政婦のミタ」。
「承知しました」と、仕事はすべて完璧にこなすものの、常に無表情かつ機械的で、業務命令ならば犯罪スレスレの行為も平然と行う「ミタさん」に、多くの人が画面にくぎ付けになりました。
実際にミタさんのような人材が会社にいたらどうでしょう?
「優秀な人材はぜひ欲しい」「気味が悪くて使いづらい」など、意見が分かれるところだと思います。
企業文化とマッチするかも採用の指標になる
社員を採用する際、求められるものは何でしょう?
第一には業務を遂行する能力です。
しかし、能力だけあればそれで十分なのでしょうか?
どんな企業にも「企業文化」があります。
それは社員一人ひとりが業務を行う際の指針となります。ある会社は「チームワーク」だったり、またある会社は「実力第一」だったりします。
会社が掲げる価値観にマッチしない人間が入社しても、伸び伸びと実力を発揮することができません。
企業は組織である以上、協調性も求められます。
採用時には、こうした企業文化への適応度合いと協調性もしっかり確認することが不可欠といえるでしょう。
そう考えると、先のミタさんのような社員は、協調性に難があるかもしれません。
“一匹狼社員”は周囲のモチベーションを落とす
例えば、会議やミーティングにはほとんど出ず、部署全体で手掛ける業務にも手を貸さず、自分の仕事だけを淡々とこなしてトップクラスの実績を上げている“一匹狼社員”がいたとします。
「売上をしっかり上げているからいいや」と、会社が放置したらどうなるでしょう?
“一匹狼社員”の存在は、間違いなく周囲に悪影響を及ぼします。
ミーティングに必ず出席し、チームワークを大事にしている社員は「まじめにやるのがバカバ カしい」と思うようになり、モチベーションが下がります。
あるいは、若手社員が“一匹狼社員”を真似るようになり、徐々に全体の協調性がなくなっていきます。
職場全体の士気が落ちるのは確実。
企業が積極的に関与し、状況の改善を図る必要があります。
社員を採用する際、どうしても過去の経歴や能力ばかりにとらわれがち。
もちろん、それらも大事ですが、人間性や協調性も加味して、入社したときに及ぼすであろう影響も考えて採用することが望まれます。