「割引」と「無料サービス」、どちらが得? 「粗利」に着目し、自社と顧客の双方の視点で考えよう!
2011/09/09
現在のご時勢、新規顧客を開拓することも大切ですが、既存顧客とより密接な付き合いを展開することも重要です。
それにはリピーターを増やすことが不可欠。
例えば飲食店では、リピーターを増やすため「割引」「無料サービス」といった特典を実施しています。
果たして「割引」と「無料サービス」のどちらが得なのでしょう?
粗利が同じなら顧客が喜びそうなサービスを
居酒屋の例を挙げてみましょう。
この居酒屋は「飲み放題付5000円コース」を予約してくれたお客様に「10%割引」か「刺身盛り合わせ(定価 1200円)無料」のどちらかをサービスをしようと考えています。
お客様と当社の双方が喜ぶには、どちらがいいのでしょう?(飲み放題付5000円コース の売上原価は2000円、刺身盛り合わせの売上原価は500円とします)
この場合、結論からいうと「無料サービス」のほうが得になります。
これらのサービスについて
1.何もしない場合
2.10%割引をした場合
3.刺身盛り合わせ(原価500円)無料の場合
を比較してみましょう。
1.何もしない場合
売上=5000円、売上原価=2000円、売上総利益(粗利益)=3000円
2.10%割引をした場合
売上=5000×(1-0.1)=4500円、売上原価=2000円、売上総利益(粗利益)=2500円
3.刺身盛り合わせ無料の場合
売上=5000円、売上原価=2000+500=2500円、売上総利益(粗利益)=2500円
「2」と「3」は粗利益が同額の2500円になります。店舗の儲けとしては同じになります。
しかし、これをお客様の視点で見ると違います。
「2」の10%割引では500円の得。
「3」の刺身盛り合わせ無料は1200円得した気分になります。
粗利益が同じならば、無料サービスのほうが効果的といえるでしょう。
売上-売上原価=売上総利益(粗利益)
この計算式が利益を生み出す出発点なのです。