Appleはユーザーとの間に何をデザインしたのか
2012/05/29
2011年10~12月の間に、米Appleは3兆8400億円の売り上げを記録しました。
Macを中心としたパソコン事業からiPhone、iPad、iPodといったモバイル事業へと舵を取り未来を先取りし続けるApple。
彼らの生み出す製品の魅力としてデザインが挙げられますが、「良い見栄えの製品」を作るだけで果たしてここまで支持を得ることができたのでしょうか。
できるところまで目一杯の“顧客目線”
Apple製品を購入した際、最初に手に触れるのはパッケージ。
Appleは製品そのものだけではなくパッケージのデザイン、質感にまで細心の注意を払って作っています。
例えばiPhone。
箱にも中にも余計な注意書きや説明書はなく、箱を開けるとそこには「このiPhoneはあなたに出会うために作られました」という紙が一枚。
工場で大量生産されたプロダクトの中で偶然手にした1台であるはずのiPhoneが、このメッセージひとつでグッと親近感が強まるように仕組みづくられています。
彼らは、製品のデザインだけではなく、顧客が製品に出会い、来店し、パッケージを手に取り、購入し、家に帰ってふたを開け、製品を使い始め、最後に新機種に乗り換えるまでの一連のストーリーをデザインしているのです。
これはまさに、日本人が得意としているはずの“顧客第一主義”を徹底した結果。
本来、日本人にこそ行えるマーケティング手法なのです。
ぜひ、一度自社の製品で何ができるのか、今までにない角度から検討してみるのも手ではないでしょうか。