上司が部下に「大丈夫か?」と言う場面は、会社でよくあること。
しかし、その「大丈夫か?」は本当に部下のことを気遣っているのでしょうか?
部下がとりあえず「大丈夫です」と言うまで、何度も「大丈夫か?」を繰り返している上司が会社にいませんか?
そして、本当に大丈夫じゃない状況のときに力にならずに「あのとき『大丈夫だ』と言ったじゃないか!」と、責任を回避する上司はいませんか?
いま一度、社長さんご自身と幹部の方々の「大丈夫か?」はホンモノか、確かめてみましょう。
表面的な「大丈夫か?」は無意味な質問
上司「プロジェクトはどんな状況にある?」
部下「少し遅れぎみです」
上司「大丈夫なのか?」
部下「なんとかします」
上司「本当に大丈夫なのか?」
こんな風なやり取りをしている上司と部下はいませんか?
具体的アドバイスもせずに「大丈夫か?」を繰り返す上司に対しては、部下は大丈夫じゃなくても「大丈夫です」と言わざるを得ません。
こういう上司は「大丈夫か?」と表面的に気遣っているものの「大丈夫じゃない」という回答を許していません。
つまり、この「大丈夫か?」は無意味な質問になるのです。
上司はサッカーの審判になろう
例えば、サッカーの試合で選手が倒れると、審判は「大丈夫か?」と聞きます。
選手の答えを踏まえ、審判は「再び立ってプレーを続けさせるか」「いったん外に出すか」「救護班を呼んで外に運び出すか」のいずれかをジャッジします。
上司の仕事も実はサッカーの審判と同じ。
部下に「大丈夫か?」と聞いたら、話に耳を傾け、「そのまま仕事を続けさせる」「仕事のボリューム、納期の調整を図る」「他のメンバーの助けを求める」などの判断をしなければならないのです。
もっとも、上司が「大丈夫か?」と気遣っても、部下が無理をして「大丈夫です」と答えてしまうケースもあるでしょう。しかし、仕事はチームプレーです。
普段からまめにコミュニケーションを取り、部下に「大丈夫か?」と聞いたら、ありのままを答えてくれるような環境を創り出すことが大切なのです。