相手を思いやるってむずかしい
2017/01/31
芥川龍之介の蜘蛛の糸。
地獄で苦しんでいる罪人の一人、過去に蜘蛛を助けたことがあるカンダタにお釈迦様が一本の蜘蛛の糸をおろして助けてやろうとした話。
ここまで書けばなんとなく結末が分かるような気がするのは勧善懲悪の考えをもつ日本人が書いた話であるからで、決して芥川龍之介を侮辱しているわけではなく。
ふと空を見上げたときにこの話を思い出した。
なぜかはわからないが、もし理由があるとすれば木の枝がはりめぐらされた蜘蛛の糸に見えたから。
でも、小説に出てくる蜘蛛の糸があるとすれば、例えばどこに?
あの高いそらから降りてくるのか。
地面から地球の中心のマグマに向かって降りているのか。
だとすれば、カンダタがうまく地獄を脱出したのなら急にあの空から目の前に降ってわいてくるかもしれない。
地面から急に手がのびて足をつかまれるかもしれない。
でも、私は思う。
お釈迦様はつれない。
凡人にあんな細い蜘蛛の糸を降ろしても、普通は切れやしないかと心配するものだ。
もっと相手の立場に立って考えていたらああいう結末にはならなかっただろうに…
一凡人の独り言
クライアントサービス部:荒巻